門前仲町の「魚三酒場」は
もちろん知っていたが、森下駅そばに支店があるのは
うかつにもまったく知らなかった。
入ってみると、カウンターの作りからメニューの品揃え、新鮮な魚介類と百円台というお酒の安さもほぼ同じ。
夕方四時から行列覚悟の本店と違い、五時過ぎでもまだ座れるので、酒好きには本当に天国のような店である。
四合は入る大徳利から、人肌に温めたぬる燗をあふれるほど注いでもらうと、
思わず頬も緩む、そんな店である。
「森下」といえばもう一軒、「東京三大煮込み」の店「山利喜」が有名であるが、
有名であるがゆえについ最近までなかなか足が向かなかった。
三大煮込みのほか二店、月島の「岸田屋」と北千住の「大はし」が純和風の正統派モツ煮込みであるのに対して、
「山利喜」の煮込みはガーリックトーストとセットになった西洋風のモツ煮込みであるところも、
なんとなく小洒落ていて、気に食わないところもないわけではなかった。
しかし、実際に食べてみるとやっぱり多くの酒好きが通う店なだけはある。
ぐつぐつ煮込まれたあつあつのモツを見るだけで、「ぐぐッ」とのどがなる。
結局は熱々の「モツ煮込み」と冷えた「ビール」があればどこだっていい、というのが正直なところではあるのだが。
そんな煮込みが恋しくなる、夕暮れの急に肌寒い、
もう師走である。
